とタイトルで書いたところでスペルを間違っているような気がしますが。
大学のときに国際統合と民族紛争(正確には「国際統合による民族風葬の解決」)について勉強していたとき、友愛の概念の重要性に気がついたのですが、刑事裁判での重罰化の流れを考えていたときに、ふと友愛の概念の重要性を思い出しました。
まず、今のままでは刑事裁判での重罰化の流れはいつか揺り戻しが来てしまいます。なぜかというと、すべき重罰化の方向を間違っているから。
今の刑事裁判では、「故意犯と過失犯では違う」という根本的な部分が無視されているのです。重罰化すべきだったのは今まで被害者を無視して軽くしてきた故意犯についてのみ。過失犯については、重罰化してはいけないのです。
なぜか?
それは「人間、誰でも過ちは犯すから」。刑罰について考えるときには、既に使い古された言葉です。
では、なぜ故意犯では重罰化すべきなのか?この辺を考え出して、「あぁ、結局は友愛の概念の問題なのだ」と気がついたのです。
過失犯を裁くときには、過失犯もある意味被害者であることを忘れてはいけません。もちろん、責められるべき部分があって、だからこそ刑罰を受けるのですが、社会構成員皆が「明日は我が身」なのです。
一方、故意犯については、「明日は我が身」になるのはあくまで被害者として。大学の授業では人間いつ加害者になるかもしれないというような話を前提にしているのですが、通常は故意犯の加害者にはなりません。もちろん、複雑な生い立ちがあって人格が破綻してしまって…というようなケースはあると思いますが、社会構成員の総体として甘く判断してあげるべきと思うケースについては個別に救ってあげれば良い訳で、「一般的に赦してあげよう」などというのは、被害者を2重の被害にあわせているだけなのです。国家は被害者の自力救済を否定しているわけですから、被害者が自然権上持っている応報権を確実に満たしてあげる必要があるのです。
(懇話休題。以前、憲法を勉強している後輩とこの「自然権上の応報権」の話をしたときに「そんな権利、聞いたことがない」と言われてしまった事があるのですが、聞いたことがあるかどうかと自然権上認められるか否かは別の話で、「自然権=自然法に基づく権利」、「自然法=政府による介入無しでも社会が社会として維持されるために必要とされる規範」と定義すれば、応報権を自然権として認めないと社会が反規範的勢力のせいで崩壊してしまうわけです。ちなみに、法学部での自然法学習の弱さについては、法定犯と自然犯の区別がつかないことを特に非難されないことでも見て取れるのですが、法定犯と自然犯とでは、特に法の不知に関して非難の度合いが変わってくるはずです。)
さて。「なぜ過失犯まで重罰化されてしまったのか?」について考えて見ましょう。僕の考える原因は2つです。
1)エリート主義の放棄
法律家は法律についてのエリートであるのに、国民の感情に迎合してしまっている。一見民主主義的だが、エリートとしての責任の放棄ではないのか?エリートが十分に国民に説明して、十分に考えた後の感情でないなら、尊重する必要がどれだけあるのか疑問である(もちろん、このように考える場合、エリートの側には国民に説明していく義務がある。そう考えない場合、国民の側はエリートに対して強い反感を持ってしまう。)
2)抽象的符号説を否定している
たとえば、飲酒運転で死亡事故を起こした場合に該当になる(場合がある、ということになりますが)危険運転致死罪は、かなりの重罰です。過失犯であるにも関わらず、たいていの故意犯の犯罪よりも重く罰せられる。「人が死んでいるから重く処罰するんだ」というと一見納得できそうですが、過失致死罪は一番重くても罰金刑。だから、やはり反規範性の強さが処罰の重さにつながっていると考えるべきです。はっきり言えば「飲酒運転しているんだから、死亡事故を起こすことを容認しているんでしょ?」っていうことで、未必の故意を認めているのだとおもうのです。これって、抽象的符号説ですよね?でも、一般に今までガンガン批判してきた抽象的符号説を正面から立法化しましたとは言いにくい。だから、「全部重罰化している」としているのでしょうが、詭弁です。でも、別に判例変更したわけではないから(それこそ、変更していないから危険運転致死罪が立法化されたわけですし)、結果パッチワークのような法律運営になっているように見えます。
ここで、「友愛」の概念を持ち出してみると…「誰を(より重視して)いたわってあげる必要があるのか?」という視点が出ると思うのです。その上で、「本当に今後も法定的符号説を採るべきなのか?」「過失犯まで重罰化すべきなのか?(抽象的符号説を採ればスッキリするのではないか?)」といったことを真剣に考えるべきなのではないか、と思います。
え〜…もう寝なくてはいけないので、中途半端な感じですが(特に、いろんなタームの説明を端折っているし…)、とりあえず今日はこんな感じで筆を置きます(これじゃタダのメモだ…)。
posted by ベドウィン・ピエロ at 01:31|
Comment(8)
|
日記
|

|